院長コラム

2014 12/04

12月 統合失調症について

恒例の南座の顔見世も始まりました。
皆様いかがおすごしでしょうか?

町でクリニックをやっていると、やはり、うつ病や適応障害の方が多いのですが、よくお話を聞くと統合失調症の方もおられます。
激しい症状を持った方は、病院に行かれるので幾分、症状が軽い方がほとんどです。
御本人は、うつ病かしらと思って受診されますが、人の目がこわい、いつも見られている、うわさをされている、笑い声は自分の事を言っているのだと確信されている方もおられます。
盗聴器、かくしカメラなどで見張られていてこわいとか、頭の中をのぞかれている、人に考えがもれてしまうとか、言われる方もおられます。
いつも不安で何となくまわりの雰囲気が変だ、世界が没落するのではないかなどなど異様な体験をされるようです。
幻聴は体験されない方と、名前を呼ばれたり脅すような声が聞こえる方もおられます。
不安と恐怖で落ち着かない状態となり、部屋の中をうろうろされる方も多いです。
統合失調症は発病年齢が20才前後と若い人に多いのです。
高校、大学と人生の節目に起こるわけです。

抗精神病薬で治療するわけですが、大事なことはお薬もかかさず服用する事です。
近頃では、ネットでお薬を調べてくる方も多く、太りたくないなど副作用がこわいと言って飲んだり飲まなかったりするわけです。
薬もある程度まで増量する事が必要なのですが、拒まれる方もいらっしゃいます。
この病気は自然治癒はあるにはあるのですが、確率は低く、病気とつきあいながら、お薬を飲み続けることが大事です。
地方から京都へ出てきた学生さんには、病気の勢いが激しい時には休学していただいて実家で近隣のクリニックに通う事をお勧めしています。

突然この病気を告げられるとびっくりされて色々調べられるものです。
受け入れるそこそこの時間が必要ですが、初発の時にしっかりと治療する事が大事で、若いからこそこれからの一生をどうすごしていくかがかかってきます。
精神科において最も重要な疾患の一つと言えます。

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