診療内容・方針

うつ

うつ病は気分が落ち込んだ状態が何週間もずっと続く病気です。また、以下のようなこころとからだの症状を引き起こすことがあります。

こころの症状

  • 抑うつ気分

    • 気分が落ち込む
    • 憂うつだ
    • 悲しい気持ちになる
    • なんの希望もない
  • 思考力の低下

    • 集中力が低下し、仕事の効率が落ちた
    • 些細な決断ができない
    • なんでも悪い方に考える
    • 自分を責める
  • 意欲の低下

    • 今まで好きだったことや趣味をやる気になれない
    • 友人や家族と話すのも面倒だし、話していてもつまらない
    • 何をするのも億劫(顔を洗う、着替えるといった基本的なことも)
    • テレビや新聞を見てもおもしろくない

からだの症状

  • 睡眠の異常

    • 眠れない
    • 朝、目覚ましよりも早く目が覚める
    • 寝た気がしない
  • 疲労、倦怠感

    • からだがだるい
    • ひどく疲れる
    • からだが重い
  • ホルモン系の異常

    • 月経の不順
    • 性欲の低下
    • 勃起の障害
  • 食欲の低下(時に増加)

    • 食欲がない
    • 何を食べてもおいしくない
    • ダイエットしていないのに、体重が1ヵ月で数キロも減った
      (食欲や体重は増加する場合もあります)
  • その他の症状

    • 頭や肩、腰、背中などさまざまな部位が痛む
    • 便秘
    • 心臓がドキドキする

うつの原因とメカニズム

うつの原因は生活や環境の変化に伴う過度なストレスです。死別や失業といった悲しい変化だけでなく、結婚や出産といった嬉しい出来事でも引き起こすことがあります。

うつ状態の脳内では、神経伝達物質の働きが低下した状態になっています。
なんらかの理由でセロトニンとノルアドレナリンの働きが低下し、情報伝達がうまく行われていないため、身体的精神的な症状があらわれるようになると考えられています。

脳内には、「セロトニン」と「ノルアドレナリン」という"神経伝達物質"という物質があります。
"神経伝達物質"の役割は神経細胞から神経細胞に情報を伝達し気分や意欲、記憶などの情報伝達をコントロールします。こころとからだの働きを活性化するにはこの"神経伝達物質"が大切になってきます。

うつの治療法

うつの治療は、十分な休養をとおくすりによる治療が基本です。

うつになると、こころもからだも疲れきった状態です。まずは休養をとることが必要です。エンジンが故障してしまった車を思い浮かべてください。
その場でどうにかごまかしても順調に走り続けることは難しいでしょう。人の心も同じです。無理を続けた状態では、回復することができません。
心から休まる環境をつくり休養をとって、疲れを癒すことが大切です。

また、脳内神経伝達のバランスの乱れを調整するため、抗うつ薬という種類のくすりを用いて治療を行います。くすりに頼ることに抵抗があるかもしれませんが、ほかの病気と同じでからだの中で起こっている異常をきちんと補正してあげるためととらえてください。

うつ病はよくなったり、悪くなったりしながら、少しずつよくなっていきます。
あせらずにゆっくりと、適切な治療を受けて回復を目指しましょう。