パニック障害
自分で簡単にできるパニック障害のセルフチェックです。
あくまでも目安で、このチェックでパニック障害の診断にはなりません。
これらの項目に5つ以上あてはまり「自分は心の病気なんじゃないか……」と思ったら、
精神神経科や心療内科を訪れてみましょう。
- 外出をして電車やバス、人混みの中を歩くとクラクラしてくる
- 心臓がドキドキする
- 手の平や、全身に汗をかく
- 身震いまたは震え
- 息切れ感または息苦しさ
- 胸の痛みまたは不快感
- 吐き気、腹部のいやな感じ
- めまい感やふらつき感、頭が軽くなる感じ、気が遠くなる感じ。
- 体の一部にしびれ感や、うずきを感じる
- 冷たい感じや、ほてった感覚がある
- 自分をコントロールできなくなる恐怖や、気が狂う恐怖に襲われる
- 集中力がなくなり、一つのことを持続して行ったり考えたりができなくなった
- 死ぬことに対する恐怖
- 生活のリズムが一定ではない
- 常に睡眠不足である
パニック障害とは
ある日突然、特に何も原因がなく体調も悪くないのに身体に異常をきたし不安感に襲われる症状が起こります。それは、突然脳が現実ではない危機を感じてパニックに陥るものです。
病院にいっても異常なところは見当たらず更に不安になり、パニック障害を慢性化させてしまい、うつ病まで併発してしまうと治療も長くかかってしまうケースもあります。
年齢でいえば25~30歳が最も多く、女性でいえば35歳前後が最も多く発病しています。
心臓や呼吸器の検査を受けて異常がなく幾度もパニック症状が現れるようでしたら、精神科の医師の診察を受けてみましょう。
パニック障害の治療法
急性期の症状を薬で抑え込みます。
患者さんの症状の軽減に合わせ、医師が効果や副作用を見ながら減薬していきます。
- 三環系抗うつ薬うつ病の治療に用いられる薬ですが、パニック障害に対しても効果が認められている薬です。抗不安剤やSSRIなどでも効果がみられない場合にのみ使用されるています。副作用として眠気や便秘、起立性低血圧、口の渇きなどの症状があります。
- SSRISSRIは抗うつ薬の一種でパニック障害にも効果が高くでています。神経伝達物質(セロトニン)が神経細胞への再取り込みを妨げているのを改善する効果があります。
自己判断でいきなり服用をやめてしまうと、めまいや頭痛、不安感などの副作用が現れますので、必ず、医師の指示通りに服用しなければいけません。 - 抗不安薬不安・緊張などの症状を緩和する為に使用されている向精神薬の一種で抗精神病薬に比べて作用が穏やかなのが特徴です。日本では主にベンゾジアゼピン系の薬剤が使用され、パニック障害の治療にも用いられます。副作用はフラフラしたり眠気がきたりとが若干強めに表れます。
- その他の薬上記の薬以外で、抗てんかん薬やβ遮断薬などが使用される場合もあります。
認知に働きかけて気持ちを楽にし、恐怖心や不安感を取り除いていく精神療法(心理療法)の一種です。認知というのは、ものの受け取り方や考え方という意味です。自分の気持ちをコントロールする練習や回避行動が見られる場所での対処法を習得していきます。
- 自律訓練法(リラクゼーション)呼吸法やリラクゼーション法です。からだの緊張を解くと心のリラックスを引き起こし発作を軽減できます。
- 暴露療法(エクスポージャー)遠ざけている不安の対象を直視させ少しづつ慣らしていきます。克服した経験を積み重ね自信をつけていく方法です。
焦らず、不安に対する不安を少しづつ解消していくことが大事です。
パニック障害の原因とは・・・
パニック障害の原因は、まだはっきりとは解明されていません。
しかし、ある程度判明していることはあります。
心の病気に位置づけられていましたが、最近では「脳機能障害」という認識が一般的になってきました。
脳機能障害とは、セロトニンやノルアドレナリンといった、脳内神経伝達物質の量やバランスが崩れていることを言います。
また、最近では二酸化炭素や乳酸が原因とも言われていますが、ストレスの影響も無視できません。
自分でできるケア
- 規則正しい生活(早寝・早起き)を心がけましょう。
- ストレスをためすぎないように、適度に発散しましょう。
- 風邪を引かないように注意しましょう。
(風邪を引くとパニック発作が起きやすくなるといわれています。) - カフェイン飲料の飲みすぎは控えましょう。
(刺激物は不安発作を起きやすくします。)
家族や周囲の方へ
患者さんは蓄積されたストレスを抱えておられます。雪山が解ける様に時間をかけてゆっくりと治療を行う必要があります。パニック障害は、すぐに改善されるような病気ではない事を患者本人だけではなく、家族も一緒に理解を深め病気に向き合う事が大切です。病気を認め焦らず根気よくそっと見守ってあげてください。
「頑張れ」や「大丈夫?」は禁物です。患者さん本人が一番頑張りたいのですがどうしようもできないことに傷つき不安を抱き苦しんでいることを理解してあげて下さい。パニック障害は、決して気持ちの持ち方が悪いから起こるのでないことを理解してください。パニック障害に対して正しい知識を持つことが一番の優しさになります。
患者さんは疲れ果てストレスを抱えています。苦しい心の内を言葉することさえ時間がかかります。
無理強いはせず自ら話すまで待ってあげることが大事です。
患者が自ら話せる状態であればどんどん話を聞いてあげてください。
病院への診察はできれば同行し、家族も医師の話を聞くことで病気に対しての理解も深まります。
家族も病気への理解度もあがりよりサポートしやすくなるでしょう。
外出するときも、患者一人よりも同伴者がいた方が患者本人の気持ちも少し和らぎます。
また、焦らず正しい食生活など日常的なサポートをしましょう。